
最初のうちは寝てたんだけど、都内に入る前から目が冴えだした。千葉に入るころには緊張してつり革を握る手が震えだした。
初対面の人に緊張を悟られたくなくて飾ってしまうのは僕の悪いくせ。
みっつさんに対して飾りたくなかった僕は「もういっそ『緊張してます』って言っちゃおう」と決めた。
待ち合わせ時間より少し早く駅についた。まだみっつさんはいない。
鼓動が早くなる。緊張は乗り越えた。興奮だ。
数分後、みっつさんと会う。
うぉぉ…みっつさんだ!
むいしきに右手をさしだして、みっつさんと握手、そしてハグをした。
再会した僕たちは駅の中のドトールにいき、そこで2時間ほど話した。
目の前にいるのはみっつさん…うん、みっつさん……おぉ、みっつさん!!
「緊張してます!」
最初は少し戸惑いながらも、すぐにその雰囲気に慣れた。みっつさんが優しかったからだ。
もうにじみ出てるとかのレベルじゃなく、溢れ出てた。
みっつさんの笑顔、大好きだなぁと思った。
その後、となり駅まで歩き、モスでまた話した。あと1時間で日が変わるあたりに店を出て、また歩きはじめた。
その歩いている時間のことを結構おぼえている。
その時ぼくは「ちょっと喋らないで歩いてもいいですか?」と言っていた。そんな気分だったから。
「いいですよ」と言ってくれたみっつさんは僕より少し前を歩いていた。
ベージュのコートが凄く似合ってた、というのもあるんだけど、歩く姿、その背中がなんだか凄くかっこよく見えた。
自分から「しゃべらなくてもいいですか」なんて言ったくせに、言いたい欲求に駆られ「みっつさん、かっこいいですね」と言った。またまた凄く優しい笑顔でかえしてくれた。
歩く姿がやけに大人っぽく見えたり、そう思えば笑顔が子供っぽく見えたり、とにかくすごく素敵だった。
モスから30分ほど歩いて公園に到着。
僕らはコンビニで買ったホットレモンを飲みながら、またさっきとは違った雰囲気で1時間ほど話した。
最後にまた握手とハグをして、別れた。
別れたあと、会いに行ってよかったと思った。
みっつさんと会うまえ、心から決めていたことがひとつあった。飾らないということ。
みっつさんと素の自分で会って話したい。さらけ出したい。
傷つけないために当たり障りのない話をする、ということは絶対にしたくなかった。飾る自分は自分じゃない。本当の自分でみっつさんと接したかった。
言葉にならないことが多かった。なんて言ったらいいかわからなくて、何度も僕の言葉が詰まることが多かった。
それでもみっつさんは、ゆっくり、僕の言葉ひとつひとつを聞いてくれた。
僕はもしかしたらみっつさんを傷つけたかもしれない。そんな気もする。
でも正直、全く後悔はしていない。
自分を出した結果だ。みっつさんとしっかりぶつかった証拠だと、一方的かもしれないけど、そう思ってる。
みっつさんは優しかったし、ときおり、激しかった(と感じた)。
どちらも嬉しかった。でも激しかった時の方が嬉しかった。
みっつさんの心の叫びのようなものが聞こえた。そういう話をしてくれたことが凄く嬉しかった。
別れたあと、「生きてる」実感が猛烈にこみ上げてきた。思わず声に出た。おぉ、生きてる。
心が凄く暖かくなっていた。
今日、満喫で朝を迎えたとき、不思議な感覚を覚えた。何かの幅が広がってる感じがした。
何だろ?本当に分からない。人生の幅って言いたいけど、言葉になってないし。
みっつさんが同じ世界で生きてるってことを思い出すだけで、元気がもらえそう。上を見上げれば同じ空の下、なんてクサすぎるけど、でもそんな感じ。
最初のドトールでみっつさんと話した時「なんで会いにいこうと思ったんですか?」と聞かれて「わかりません」と答えた。本当に分からなかった。
でもわからないけど、会いたかった。
そして今、心から思います。みっつさんに会いに行ってよかった。
みっつさん!本当に、ありがとうございました!一緒に生きましょう!